NINJA TOOLS

2019年05月08日

One Day Nature Trip in Spring Tochigi pref.

標高1000m強。夜明け前。

山並みを越えて雲が谷に下り、谷の底からは新しい雲が湧き上がってくる。
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寒い。

風裏となる崖下に待機し、クマに自分の存在を知らしめるべくヘッドランプを灯し、鳥たちの目覚めを待つ。
頭上でファサファサと翼のはためく音がする。見上げても姿はすでにない。

しばらくすると目の前をひらひらと飛んでいく。おお、ヨタカ。

すぐそばで地面近くをひらひらとホバリングする。

ヘッドランプに集まる虫を目当てに来ているようだ。

ポロンという例の声を一度出すものの、その後、ほとんど声を発さない。そのかわりに、目の前の地面に着地すらする。足を抱え込んだ姿勢で座り込み、盛んに首を上下させる。

薄明るくなってくると、どこともなく消えてしまった。

やがて、コウモリが2匹、ひらひらと飛んでいる。コウモリたちも繁殖のシーズンなのだろう。

明るくなったところで、林内に入っていく。

クロジが優しい声で鳴き続けている。

エゾムシクイが盛んにさえずっている。コルリが脇で賑やかだが、最近エゾムシクイの声を録っていなかったので、そっと近づいていく。



眼の前数十m先のブナの中層にやたら大きな黒い塊がある?

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ツキノワグマだわな。と即座に認識し、双眼鏡で確認するとまさにそれ。前回来たときも、斜面の下でド派手に石や倒木を落とす音がしていた。この時期、ある条件が揃うので、ひょっとしたらという予感はあった。その分、こちらには心に少し余裕があって、どちらかというと先方が慌てふためいている感じ。
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ブナを下りてくる。さあ、向かってくるのか。急斜面の下であり、笹薮も濃いので、時間は稼げそう。こちらに向かってくるようなら、車に走って逃げることにしようと軽い気持ちでようすを伺う。

ブナの根元の気配からすると、斜面下に降りていった。がた、ごそ、がたという音のするほうを見ると、下のほうの斜面を横切って走っていく。しばらく遠ざかってからこちらを振り返っている。
今回も先方さんが逃げてくれたようだ。

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そばにはこんな看板が立っている。そう、あなたのいうとおり。

気持ちが昂ぶってしまって、録音機を握る手が震える。

手を叩いて自分の存在を知らしめながら先に進む。

ヤマドリが林道脇で母衣打ちを始める。間隔の秒数をカウントしながら録音をスタート。しかし、じっとしているのもちょっと怖い。おぼつかない手で録音を繰り返していたら、ヤマドリには警戒されてしまい、気配もなくなってしまった。

尾根道を進む。

センダイムシクイが盛んに鳴いている。通常聞くさえずりよりも、間隔が狭く、二羽で鳴いているのかと思うくらいだ。
これが本来のさえずりというものなのだろうか。

この声を聞いてしまうと、ふつうよく耳にする、間隔の広い鳴き方は、別の意味がありそうな気がする。
ソニー PCM-D100 録音レベル6.0くらい 手持ち
48kHz/16bit/wave形式
アドビ・オーディションで1500Hz以下を緩やかに削除
-16dBにノーマライズ
+フェイド加工


ヒガラ、コガラなどの声がやや興奮気味に聞こえる。これらの小鳥たちもツキノワグマを警戒していたのかもしれない。

あまりいい気分もしないので、フィールドを変えることにする。

春先に見つけていたヤマセミのつがいはその後どうなっているだろう。オドリコソウの花もそろそろ見頃のはず。

ある川に向かう。
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オドリコソウには会えたが、ヤマセミは気配を消してしまっていた。

よく止まっていた石に糞の痕はない。いなくなっている証だろうと推測。

コゴミは伸び切っている。
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車に戻っていくと、眼の前の草むらでなにやらうごめくものがいる。

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マムシ。今日はツワモノにめぐりあう運勢下にあるようだ。尾の先を盛んに震わせて威嚇してくる。凹んだ地面の部分が休み場所のようだ。後ずさりしていく。

にわか雨も降ってきたので、さらに別のフィールドへ。うろちょろすることはあまりしないのだが、やはりクマ、ヘビにあい、心が浮ついている。

とある谷津へ。最奥部が放棄田となっていて、前回訪れたとき、花が多かった。
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これはジロボウエンゴサクかな。

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ホウチャクソウ。

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クサイチゴ。

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そうそう、これがシドケ。モミジガサ。久しぶりに見た気がする。

と、地面ばかり眺めていると、杉林の奥からサンコウチョウの声。

いろいろな生き物たちに出会えた春の一日。



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2019年05月01日

春の光を浴びて。

寒い日が続き、夏鳥たちの活動も鈍いように感じられる。

前回訪れたとき、この時期特有の姿として、オオルリの雄がヤナギ類の花に集まる虫を食べに集まっていた。

今回もまだオオルリが群れている。旅の途中なのだろうか。

しかし花たちは確実に様相が変わっていて、今年もまた急かされる気持ちになる。

見上げるとやわらかい光を浴びる花や新芽たち。

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マンサクの新葉。

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トウゴクミツバツツジ。

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タカノツメ。美味しそう。

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クマシデ属の新葉。

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カエデ類の新葉。この時期だけ見られるピンク色の鞘が好き。

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イヌブナ。

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アワブキ。

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ヤマブキ。

地面に眼を落とせば、

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チゴユリの群落。

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ショウジョウバカマの新葉。

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杉林の林床で木漏れ日を浴びるトチバニンジン。

気持ちもほぐれる。


湧水地に縄張りを構えたオオルリのさえずり。


タスカム DR-05
48kHz/16bit/waveで録音
アドビ・オーディションで-12dBに増幅、1000Hz以下をゆるやかに削除、ヒスノイズリダクションでバックグラウンドノイズを7dB削除。さらにフェード加工。
96kbps/44.1kHz/mp3に変換








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2019年04月18日

信仰の山の春を楽しむ。(日光の春を憂う)

昨年見つけた林。晩春の段階でも野花が楽しめたし、林にすむ鳥との出会いも楽しめた。

ショウジョウバカマの花後なども多く見かけた。今時期は、花が咲いているはず。

カタクリ。
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トウゴクサバノオ。葉の形が可愛らしい。塩谷町でひと群落見つけたことがあったが、ここではそれどころでなくそこらじゅうに生えている。
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そしてお目当てのショウジョウバカマ。
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モミジガサかと思って撮影しておいたが葉の裂け方が違う。ヤマタイミンガサ? シドケも日光では少なくなっている。
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エンレイソウも日光ではめっきり見なくなった。
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ヨゴレネコノメ。ニッコウネコノメというのか。学名は塩原に由来しているようだ。これも塩谷町で群落を見つけてうれしく思っていたが、ここでは普通に路肩に生えている。
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キクザキイチゲも路肩に普通に生えている。
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アズマイチゲは数株しか見つからなかった。ほかはすべてキクザキチゲ。
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シュンラン。やはりこの独特の黄緑色が好き。
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サクラスミレ。これも日光で教わった花だが、いまやあの場所には生えてないだろう。
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ユキザサの芽生え。
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ウスバサイシン。
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ヒナスミレ。この地域ではタチツボを除いていちばん見かけるスミレといえるかも。
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スプリング・エフェメラルの生える林床。これも日光ではもはや幻。
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メジロのさえずり。背景にキジが鳴く。

PCM-D100 手持ち 録音ボリューム7.0くらい
48kHz/16bit/wave
-12dBに増幅。アドビ・オーディションで1000Hz 以下を削除。さらに低音域にノイズリダクションをかけている
96kbps/44.1kHz/mp3に変換






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2019年04月16日

無限地獄でしかない。

ウズラ作戦第二弾。例年、野火焼きが行われず入れなかった場所だが、今年は一気に焼き払われている。
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広大な河原とそこを流れる小川。いい環境なので今回はここに放置録音用の機材を仕込む。
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翌朝回収。
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ウズラは鳴かなかった。

しかし、意外な出会いがあった。回収時も鳴いていたが、空耳かな、と思い、やり過ごしていた。データを開いて驚いた。
オオセッカが鳴いている。かつて、利根川流域の水辺をさまよっていたときによく聞いた声で、妙に懐かしくなる。
北の繁殖地に向けて移動中だろうか。
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ヤマハ POCKETRAK W24
48kHz/16bit/waveで録音。
アドビ・オーディションで2000Hz以下を削除 -12dBにノーマライズ
96kbps/48kHz/mp3/モノラルに変換


相変わらず謎声のままだが、夜間に収録されていた。

タシギの声だろうか。小川沿いを歩くと逃げていく姿をよく目にする。
ヤマハ POCKETRAK W24
48kHz/16bit/waveで録音。
アドビ・オーディションで2000Hz以下を削除 -12dBにノーマライズ
96kbps/48kHz/mp3/モノラルに変換

ほかに、昼間は目にしなかったゴイサギの鳴き声があり、戻ってきていることを知る。カルガモ、マガモなどのanas属のカモの鳴き声も、たくさん入っている。

朝にはツグミが群れて鳴き、一部はさえずりの練習をしている。

カワセミのつがいが短い声で盛んに鳴きあっている。

ソニー PCM-D50+ローランド CS-10EM(バイノーラル・マイク)
48kHz/16bit/waveで録音。
アドビ・オーディションで4000Hz以下削除 -12dBにノーマライズ
96kbps/48kHz/mp3/モノラルに変換


ここは人の立ち入りも少なかったようだ。ゴミが少ないという点でも気持ちいい。

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マムシも目を光らせている。

ウズラ作戦のあとは別の場所に狙いを変えていくつもりだったが、こんな様子を知ってしまうと、後ろ髪を強く引かれてしまう。
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2019年04月10日

ウズラの鳴き声録音作戦2019。

千葉県の休耕地で見かけたときもこの時期で、栃木県で数回見かけているのもこの時期。そして鳴き声が確実性をもって収録できたのはこの時期の一回きり。それ以外の時期は見かけることもなく、かなりしつこく重ねた放置録音にも鳴き声が入らなかった。
ということで、4月の一時期に出会いの機会が集中しているのは、移動していく途中の姿であるためと推察し、今年も狙いを定めた。

出現の仕方を振り返ると、警戒心が強いゆえの場所の傾向が垣間見える。以前、放置で鳴き声が収録できた場所は往時と環境が変わってしまった。いっぽう、声は収録できなかったが姿は見ることができた場所あたりは今年は可能性がありそうに感じ、機材を仕込んで長時間録音を行った。

今年も第一弾の作戦としては失敗。録音できなかった。しかし、機材を回収して付近を歩いていたら、逃げて飛んでいく特有の姿を見た。(なお逃げて飛んでいくときにシャー系の声を出していた。地鳴きの声のバリエーションもありそうだ)。

これまでも、姿を見て、その日にその場所に機材を放置しても鳴き声は録れなかった。今回も存在を確認できても声は録れなかった。

この傾向がなにを意味しているのか。

昨年までは、見かけるたびに2羽で逃げていった。今年は1羽単独だった。

2羽でつがい形成されていると鳴かなくなるのか? 今年見かけたのは雌の単独だったのではないか? 録音できたときのは、雄の単独だったということか? など想像が膨らみ楽しい。

こんなことを想像しているのは、この時期、ツグミやカシラダカの群れを見ていて感じたことから。

春になり、ツグミが群れるようになって、鳴き交わしの仕方も変わった。寒い時期は、大型ツグミ特有の警戒系の声を出して逃げていくことや、ツグミどうしの追いかけ合いで鳴くことが多かったが、暖かくなって、コルク栓の開け閉めの音に似ていると比喩される、ツグミの特徴的な声を盛んに出し、そして群れで動いていることに気づいた。

カシラダカは冬に比べて群れが小さくなっているが、小さな群れが草地のなかにポツンと立つ木に集まって、そのなかの数羽がサブソングというのかぐぜり鳴きを盛んにするようになっている。地鳴き自体も、冬に比べて聞く機会が増えている。

これらの傾向から、冬が終わり、北へと移動していく鳥たちが、いっしょに移動していくために、互いの存在を確認しあうため鳴き合いも盛んになっているのではないかと感じた。

私が録音できたウズラの鳴き声も、相棒を探しながら北へ旅を続ける雄が鳴いた、ということのような気がしてきている。

人知れず北上していくウズラの姿をひとり想像できるのも、録音をしているからこそ感じることができる楽しみ。


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以前、ウズラを観察した場所。今回も機材を放置したが鳴き声は得られず。


モズがスズメ、カワラヒワなどの鳴きまねをしているところ。
タスカム DR-07UJJ 放置録音(バッテリーパック BP-6AA 装着)
録音レベル最大
48kHz/16bit/wave
アドビ・オーディションで2000Hz以下を削除。同ヒスノイズリダクションで川音を削除。-9dBにノーマライズ。
草むらの縁のヤナギ類に止まる小鳥狙いでその数メートル手前に放置。
サンプリング周波数、量子化、ファイル形式とも変換せず。なお、”.wav"ファイルはIE(Internet Explorer)では再生できないようです。EdgeやFirefoxなどで再生可能です。


河原のなかの木立(ヤナギ類)に集まる小鳥たちの早春らしいコーラス。カシラダカのぐぜり(サブソング)、ヒバリのさえずり、カワラヒワのさえずり、ツグミの地鳴きなどで、とてもにぎやか。
ソニー PCM-D100 手持ち
録音レベル7.0くらい
48kHz/16bit/wave
アドビ・オーディションで2000Hz以下を削除。-12dBにノーマライズ。
96kbps/44.1kHz/mp3に変換

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同じ河原に生えるイチリンソウの群落。寒さに葉が焼けてしまっているように見受ける。花はだいじょうぶだろうか。もはや日光ではほとんど見ることができないが、学名には日光に由来する名がつけられている種。

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苞の形からするとエゾエンゴサクか。山中から流下した種子散布だろうか。ここでは今年初めて見た花。環境の変化が激しい河原ならでは。

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野火焼き後、茎を更新していくススキと、新たに芽吹くカンゾウ類。これら新芽のようすとウズラ作戦の気運が毎年リンクする。







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