2018年04月24日

「イイデスヨ」は "No, Thank You" から "Very Good" へ。

野鳥録音を始めたころの道場ともいえるような場所。この時期としては久しぶりに歩いてみた。

ヒノキの林床に、ウスバサイシンがかろうじて残されているかのように生えている。このさらに奥に群落があったが、いまや見る影もない。
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ハルトラノオも矮小化している。
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ニリンソウ、フジスミレ、カタクリ、エゾエンゴサクなど、当時をしのぶすべもない。

植林地内に入るとクロツグミが割合近くによっても盛んに鳴いている。警戒の合図だろうか。しばらく、ようすをうかがうことにする。

すると、頭上で鳴くようになった。植林地内に残された枯木のうえのほうで鳴いている。双眼鏡で見上げる。見えた。

声が大きくて録音しやすい鳥ではあるが、リップシンクロしたのは、おそらく初めて。録音を始めたころは不用意に近づきすぎて、"録音しやすい鳥"であるのに警戒されて逃げられていた。

"リップシンクロ"。このことばが心に浮かぶたびに、いつもそれは、先達への祈りに変わる。

録音を始めたころ、この地のクロツグミは、「イイデスヨ…」といっているように聞こえる節があった。今季のクロツグミの鳴き方は抑揚があって、ふとある部分が"Very Good"と聞こえる。訳してみると、イイデスネとなる。イイデスヨがいつのまにかイイデスネに変わっていたことに気づく。

ソニー PCM-D100で録音(手持ち)
録音レベル7/48kHz/16bit/wave(.wav)
アドビ・オーディションで2kHz以下を緩やかに削除後、ノーマライズ。
112kbps/44.1kHz/mp3に変換。



posted by t at 20:00| 録音行

2018年04月19日

春の花。

日光市から塩谷町にかけて、林の中の春を探しに彷徨う。

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ジュウニヒトエ。

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フモトスミレ。斑入りの葉が美しい。花は小さく健気。

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ヒナスミレ。まだ花期はこれから。早咲きを見つけた。

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ヨゴレネコノメ。数年前に見つけたときよりも数が増えている。よかった。

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苞の形からすると、ジロボウエンゴサク?

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ヒカゲスミレ。群落が少なくなってきている。

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コガネネコノメソウ。

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ニリンソウ。大きく育って、大きな群落になっているのを久しぶりに見た。

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キクザキイチゲ。すでに花は終期。

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クロモジ。朝日を浴びる。




posted by t at 19:00| 録音行

2018年04月11日

命の力。

周期的に天気が変わり、春らしさが実感できる。
野火焼きの河原は、まだ肌寒く、昨年よりも季節の進みが遅い。

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石河原に降りると、換毛中で半身ふさふさのノウサギが逃げていく。

カンゾウの仲間が焼かれた地面から真っ先に芽を出した。
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足元から、冬眠から目覚めたばかりのアマガエルが飛び出す。
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ツグミが日向ぼっこをしている。
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雨や風によって灰が一掃され、地面が露出するようになると、ヨシが地中に焼け残った根から新芽を伸ばし始めた。
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ススキは、焼かれた茎を再生させている。
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更地から芽吹くイタドリ。赤くなまめかしい。
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地面が露出し乾燥しているが、ニリンソウは、朝露を浴びて水分を補給している。
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若い草々に、虫がつき始めているのだろうか。ツグミが集まっている。
初冬の澄んだ空気のなかで聞くその声が好きだったが、春に聞くと、また違う印象を与えてくれるようになった。寒さの厳しかった冬を乗り越え、この小さい体で海をも越えていく。


録音機材:ソニー PCM-D50 + ローランド CS-10EM(バイノーラル・マイク)
録音ボリューム6.8/サンプリング周波数48kHz/量子化16bit
アドビ・オーディションで15000Hz以下のグラウンド・ノイズ(自動車)を削除、ヒス・ノイズリダクションで川音を低減
112kbps/48KHzに圧縮




posted by t at 18:00| 録音行

2018年03月07日

再生の春。

いつもの河原で野火焼きが行われていた。
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片隅には、シロザケの骨が残されていた。いろいろな生き物たちによって、文字通り、骨の髄まで食べつくされている。
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小川のようすを見に行く。
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群れで泳ぐ小さな魚を双眼鏡で覗いてみると、体側にサケ科特有の模様、パー・マークが見える。

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シロザケの稚魚のようだ。

舞い上がった水底の泥を盛んについばみ、水面で産卵するユスリカにも食ってかかっている。機敏な動きもサケ科そのものだ。本流よりも水温が高い細流に潜み、栄養を蓄えている。

岸部には、冬眠から目覚めたキタテハが舞う。
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数週間前に野火焼きが行われた場所では、すでにカンゾウの仲間の新芽が出ていた。
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ふだん、水苔がべっとりと生えた本流は、雪解けが入りすっかり澄んでいる。
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今年も、この流れにのって、新しい旅が始まる。





posted by t at 19:00| 録音行

2018年02月15日

草々の力。

河原を歩く。
野火焼きを撮影しておこうと赴いたが、昨年以上に雪が残って、今年もほとんど火がつけられなかったようだ。
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寒さや雪のせいで鳥は少なくなっているのかなと思っていたが、そうでもない。

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ガマの一種。

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イヌコウジュ。

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ツリガネニンジン。

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チガヤ。

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アメリカセンダングサ。

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エノコログサのなかま。

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ススキ。

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ノハラアザミ。

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マメ科の一種。

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ヨシ。よくホオジロが穂先に止まって嘴でしごいて食べていた。

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カワラケツメイ。

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ヨモギ(のなかま)?

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ナギナタコウジュ。花はこれらのなかでいちばん最後に咲かせていた。

目につくだけでも、これだけの種の実りがある。

湿地、森、草原にくまなく生える多様な草が、いろいろな命を支えている。
なんでいつも来ているんだ、と地元の農家の方々に思われつつ、なんでもないふつうに生える草々を見て、そんなことを感じ続けている。


posted by t at 12:00| 録音行